Don't Look Back In Anger

日々徒然の雑記

バリー・シュワルツ: 誤ったアイディアはそれを正しいものにするような環境を作り出しうる。

「TED・我々の仕事の考え方は間違っている」より

www.ted.com

 

タイトルから想像する以上に考えさせられる内容。

 

科学のテクノロジーは間違っていればすぐに消えていくが、人間に関するアイディアや思想はそれを信じている人がいる限りは正しいものとしてあり続け、なかなか消えることがない。

 

封建主義の身分制度、カルト宗教も後世の人から見れば間違った考え方であろうがその場の人達は正しいと信じ、そのアイディアに適合した人間の性質や仕組みを維持・再生産してきた。

 

産業革命の父の一人であるアダム・スミス「人間は本質的に怠惰なものであり報酬というインセンティブを与えなければ動かない」というアイディアにより工場システムが生まれた。そしてアダム・スミスは「組み立てラインで働く者は通常人間としてありうる限りの愚か者になる」とも観察している。

 

現代の多くの労働者は良くないアイディアに適合するよう育っているために、職場においては人間として歪で不幸せな状態になっているのではないか、という問いかけでもある。

 

間違ったアイディアにもとづいた組織はそれを維持する方向に自然と動くし、その組織の中では間違ったアイディアに錦の御旗が与えられる。ネガティブな考え方としては、アイディアを変えていくのは大変なので、その組織から抜け出して、より正しいアイディアの組織に所属し直すべきということでもあるのかもしれない。

 

人々がその中で生き働く組織をデザインすることによって我々は人間の性質をデザインしているのです。組織を運営しようとするとき、自らに問う必要がある。どのような人間の性質をデザインしようと思うのか?

 

「自分の部署にはろくな部下がいない」「最近の若い子は現実的すぎる」「うちの子はなんでこんな子に育ったのか」といった発言をよく聞くが、因果関係としてはデザインが間違っていることがそもそもの原因かもしれない。そのような発言をする人も間違ったデザインに適合して育っているのであろう。自分が育った組織や集団のデザインを客観的に見つめ直し、少しでも良いデザインに変えていくことが組織や集団をよりよいものとしていくためには重要なのであろう。

 

現代日本の政治や過去の戦争体験などは、庶民ひとりひとりが無意識のうちデザインした総和の結果なのかもしれない。なので組織をデザインするのは上だけともかぎらないが、とくに組織の上の方々はうまくいかない理由を下に求めるばかりではなく、自分が組織を無意識のうちに、どんなデザインにしているのかをよくよく考え少しでも良いデザインに変えていくべきだ。

 

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